俺とIQ 小学生の時、学校で知能指数を測るテストをやった。 IQテストってやつである。 負けず嫌いの俺は全力で取り組んだ。 他の人は気を抜いて適当に消化していたが、いいのかお前ら? これは 頭の良さを測るテストだぞ。必至にやらないとだめだろう。と子供ながら 見下した目で周りを見ていた。 その全力投球の結果、学年で1番のIQ132という数値を叩き出し、親が 学校に呼ばれることになった。 教師はそのことについて何も言って来なかったが、後に親から聞いた。 将来性のある子ってことで、これからの教育の仕方についてのアドバイス 等を受けてきたようだ。 しかしうちの親は教育面は放任主義。人に迷惑をかけるなって事には厳しか ったが、勉強しろと言われたことはない。 俺はこの知能をゲームに注ぎ込んだ。 中学生になってまた知能テストがあった。 今度はIQ135のスコアを叩き出した。これは担任からも言われた。 「本当は結果については言ってはいけないのだが特別に・・・」と。 そしてまた親が呼ばれた。 将来何かを成し遂げる子ですと言われたようだ。 だがしかし。この知能テストには疑問。 全力でやる変わった人間など少ないし、育った環境で数値に差が出そう。 2~3桁の足し算の項目があったのだが、俺は珠算をやっていたので、そんなのは 見た瞬間に答えが頭に浮かんでくる。のんびり計算している人と差が出て当然だ。 ブロックの個数を数える問題も、ゲーム脳なら何の造作も無いことだ。 当時はまだタントアールや頭の体操みたいなのは無かったが、毎日ゲーセンに通 う事で培った能力は知能テストでは役に立った。 そんな経験値で差の出るゲームのようなスコアで、IQを決めてしまっても良い のだろうか。 そしてそのハリボテのようなIQは何の役にも立たず、いつまでもダメ人間なので あった。 戻る