俺とキン肉ライス
あれは小学生の秋のことだった。 どこかに行く途中だったか、俺は道を歩いていた。 ふと側溝を見ると、何か光った物がある。 「ラッキー、10円だ!」 さて、拾おうと思ったら・・・ うんこの上に縦に刺さっているではないか。 1/3ほど埋まっているその現象は、どうみても人為的である。 10円を惜しくない金持ちの人がやったのだろうか。 俺はこの10円を貰うぞ。 しかし自分の財布にそのまま入れるとウンコがくっ付いてしまうので、すぐに使うことを 思い付いた。 慎重にウンコから10円を抜き取り、手が汚れないように端を持って歩き始めた。 匂うので体から離して持ったよ。 名前は思い出せないのだが、潰れそうな駄菓子屋へ向かった。 この駄菓子屋はすぐ潰れてしまったのであまり記憶に無いのだが、駄菓子と文房具を売って いたと思う。 ♪10円のお菓子お菓子~ あった。 お菓子と引き換えに、うんこのついた10円をおばあちゃんに渡した。 おばあちゃんは目が悪いので、うんこがついていてもわからないだろうし、仮に目が悪くなく ても、まさかウンコがついているとは思わないだろう。 その時買ったお菓子が「キン肉ライス」である。 容器は透明の三角錐状で、蓋にはキン肉マンに似たキャラが印刷されていたと思う。 中には米を煎って味付けした物が入っていた。 これが美味くて美味くて、家で作ろうと思ってチャレンジしたんだけど、何度やっても炒飯に しかならなかったのだ。 今食べても美味しいと思う事はないだろうけど、もう一度食べたいなぁ。 ネットで調べても全く出てこないし、誰か知っている人いないかな。 戻る