俺と虫眼鏡
ガキの頃虫眼鏡が好きだった。 いつも制服のポケットに虫眼鏡が入っていて、 授業中暇になってどうしようもなくなると、 教科書をジリジリと燃やし始めるのであった。 そう言えば、席替えのときはいつも窓側の席を選んでいたな。 窓側は日焼けもできるし、虫眼鏡でも遊べる。 虫眼鏡は黒い部分しか燃やすことができない。 不思議だなぁ。 よくよく考えると不思議ではないけど。 紙を燃やしたときの焦げ臭さも好きだった。 日常生活での焦げ臭さは特に好きではない。むしろ嫌いだ。 教室と焦げ臭さのミスマッチが良かったのだろう。 ポケットにはプラスチックの容器も入っている。 中身は花火の火薬をほぐして集めたものだ。 紙焦がしに飽きたら、今度は火薬いぢりだ。 黒い火薬は虫眼鏡で引火させることができた。 では白や銀の火薬は? 黒く塗りつぶした紙の上に火薬を乗せるって手法を開発した。 勉強もしないでこんな開発ばかりやってたな・・・ 火薬の量が多いと「ボン!」と1発で終わってしまうので、 まばらに振りまき「バチバチバチ」と火花を楽しんでいたな。 やがて女子が、 「なんか焦げ臭い。」 とか言い出すのがお決まりのパターン。 今の中学生が同じことやったら新聞沙汰だな。 戻る